便潜血陽性
健診で便潜血陽性と指摘された方へ
「便潜血検査で陽性と出た」「大腸がんの可能性もあるので再検査を勧められた」――
こうした結果を受けると不安になる方もいらっしゃいますが、便潜血陽性=がんというわけではありません。
痔や大腸ポリープ、炎症性疾患などさまざまな原因があり、正確な診断には大腸カメラなどの精密検査が必要です。
便潜血陽性とは?
便潜血検査(免疫学的便潜血検査)は、目に見えない微量な血液の混入を調べる検査で、大腸がんのスクリーニングとして広く用いられています。
陽性と判定された場合、出血源を特定するために大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が推奨されます。
便潜血陽性の主な原因
- 痔などの良性疾患(肛門裂傷、いぼ痔)
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)
- 食事や薬剤の影響(検査前の採取状況により)
当院でできる検査と対応
山本医院では、便潜血陽性を指摘された方に対して以下のような対応を行っています。
- 医師による問診(症状の有無、家族歴、便の状態など)
- 直腸診・血液検査(貧血の有無、炎症反応など)
- 必要に応じて専門医療機関へ大腸カメラを紹介
- 結果に応じた生活指導や定期フォロー
どんなときに相談すべきか
- 健診で便潜血陽性と書かれていた
- 便に血が混じっている、下痢・便秘を繰り返す、腹痛がある
- 大腸がんの家族歴がある
- 40歳以上で一度も大腸カメラを受けたことがない
早期発見・早期対応で健康を守ります
大腸がんは早期で発見できればほとんどが治癒可能な病気です。
便潜血陽性はその第一歩を教えてくれるサイン。
山本医院では、必要な検査や専門医療機関との連携を通じて、正確な診断と安心をご提供します。
不安なことがあれば、どうぞご相談ください。
参考文献・出典
- 日本消化器病学会『大腸がん検診ガイドライン』
- 日本癌学会『がんの予防と検診』
- 厚生労働省 e-ヘルスネット

執筆者 山本医院(岡山市)副院長
山本 修平(やまもと しゅうへい)
大阪医科大学(現・大阪医科薬科大学)卒業。東邦大学医療センター大橋病院、国立病院機構東京病院、厚生中央病院、都立駒込病院、神戸百年記念病院などで消化器疾患全般の診療経験を積む。
- 〈専門分野〉一般内科、消化器内科、内視鏡診療(胃カメラ・大腸カメラ)、肝臓病
- 〈保有資格〉日本内科学会 認定内科医、日本消化器病学会 専門医、日本消化器内視鏡学会 専門医