肝機能が高い
健診で肝機能の数値が高いと言われた方へ
「AST(GOT)やALT(GPT)が高い」「γ-GTPが基準値を超えている」――
健診で肝機能異常を指摘されることは少なくありません。原因は脂肪肝やお酒の影響、薬剤性からウイルス性肝炎までさまざまで、放置すると肝硬変や肝がんにつながることもあります。数値が少し高いだけでも、まずは原因を調べることが大切です。
よくある健診の異常とその背景
健診でよく見られる肝機能異常には以下のようなものがあります。
- AST(GOT)、ALT(GPT)が高い:肝臓の炎症や細胞障害を反映
- γ-GTPが高い:アルコール性肝障害、脂肪肝、薬剤性肝障害などの可能性
- ALP、LDHの上昇:胆道系や他の臓器の関与も示唆
特に脂肪肝は、メタボリックシンドロームと関連が深く、放置するとNASH(非アルコール性脂肪肝炎)や肝硬変へ進展することがあります。
当院でできる検査と診療の流れ
山本医院では、肝機能異常の原因を明らかにするために以下のような検査を行います。
- 医師による問診(飲酒歴、薬剤、家族歴、過去の健診結果など)
- 血液検査(肝機能、ウイルス性肝炎、脂質、血糖、甲状腺など)
- 腹部超音波検査(脂肪肝、肝腫瘤、胆石、胆道異常の有無)
- 必要に応じて専門医(肝臓内科、消化器内科)への紹介
どんなときに相談すべきか
- ASTやALT、γ-GTPなどが基準値を超えていた
- 健診で「脂肪肝の疑い」「肝機能要再検査」と書かれていた
- お酒をよく飲む、または以前より量が増えた
- 薬やサプリメントを長期的に服用している
- 倦怠感、黄疸、腹部の違和感などがある
生活習慣病や隠れた疾患の早期発見をサポートします
肝機能の異常は、生活習慣や体質によることも多く、改善できるケースも多々あります。
山本医院では、食事や運動、飲酒量の見直しを含めたサポートを行い、必要があれば専門医との連携も行います。
「少し高いだけだから…」と油断せず、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献・出典
- 日本肝臓学会『肝疾患診療ガイドライン』
- 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 日本内科学会『内科学 第11版』

執筆者 山本医院(岡山市)副院長
山本 修平(やまもと しゅうへい)
大阪医科大学(現・大阪医科薬科大学)卒業。東邦大学医療センター大橋病院、国立病院機構東京病院、厚生中央病院、都立駒込病院、神戸百年記念病院などで消化器疾患全般の診療経験を積む。
- 〈専門分野〉一般内科、消化器内科、内視鏡診療(胃カメラ・大腸カメラ)、肝臓病
- 〈保有資格〉日本内科学会 認定内科医、日本消化器病学会 専門医、日本消化器内視鏡学会 専門医