むくみ(顔・足・手など)

むくみが気になる方へ

「朝起きたら顔がむくんでいる」「夕方になると足がパンパン」「指輪がきつくて抜けない」
むくみ(浮腫)は多くの方が経験する症状ですが、一時的なものから内科的な病気が関係している場合までさまざまです。
全身の健康状態を反映するサインでもあるため、続く場合は一度ご相談ください。

むくみから考えられる主な原因

一時的・生理的なむくみ

  • 長時間の立ち仕事や座りっぱなし
  • 塩分の多い食事
  • 月経前後のホルモン変化
  • 睡眠不足、運動不足、冷え など

病的なむくみ(疾患によるもの)

  • 心不全:足のむくみ、息切れを伴うことも
  • 腎疾患(ネフローゼ症候群、慢性腎不全など)
  • 肝硬変:腹水や全身のむくみ
  • 甲状腺機能低下症:全身のむくみと倦怠感
  • 深部静脈血栓症(DVT):片足だけがむくむ・痛む など

薬剤によるもの

  • 高血圧治療薬(カルシウム拮抗薬など)
  • ステロイド、ホルモン製剤など

当院で行う検査・診察の流れ

むくみの場所・程度・時間帯などをふまえ、以下のような検査を行います。

  • 医師による問診・視診・触診(左右差の有無、圧痕の有無など)
  • 血液検査(腎機能・肝機能・電解質・甲状腺・心不全マーカーなど)
  • 尿検査(蛋白尿など)
  • 心電図・胸部レントゲン・心エコー(心不全評価)
  • 下肢静脈エコー(深部静脈血栓症が疑われる場合)

当院での治療とサポート

原因に応じて、以下のような対応を行います。

  • 心不全:利尿剤の使用、心機能改善薬、循環器専門医との連携
  • 腎疾患・肝疾患:薬物治療や生活指導、専門医紹介
  • 甲状腺疾患:ホルモン補充療法
  • 深部静脈血栓症:血栓の評価と適切な治療

むくみを緩和するための生活習慣改善アドバイスも行っています。

むくみは体からのサインかもしれません

「最近むくみやすくなった」「朝と夜で顔や足の大きさが違う」「薬の副作用かも?」
そんなときは、一度医療機関で確認しておくと安心です。
山本医院では、内科的な視点から全身の状態を確認し、必要に応じて専門医療機関と連携しながらサポートします。

参考文献・出典

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット
  • 日本内科学会『内科学 第11版』
  • 日本循環器学会『心不全治療ガイドライン』
  • 日本腎臓学会『CKD診療ガイドライン』

執筆者 山本医院(岡山市)副院長
山本 修平(やまもと しゅうへい)

     

大阪医科大学(現・大阪医科薬科大学)卒業。東邦大学医療センター大橋病院、国立病院機構東京病院、厚生中央病院、都立駒込病院、神戸百年記念病院などで消化器疾患全般の診療経験を積む。

  • 〈専門分野〉一般内科、消化器内科、内視鏡診療(胃カメラ・大腸カメラ)、肝臓病
  • 〈保有資格〉日本内科学会 認定内科医、日本消化器病学会 専門医、日本消化器内視鏡学会 専門医